おにぎりとお弁当

おにぎりとお弁当

 

おにぎりのルーツは平安時代のを屯食(とんじき)

 

おにぎりは行楽など屋外での飲食に用いられていましたが、コンビニやスーパーの出現によって、今やファスト・フードとして確固たる地位を築いています。

 

おにぎりの起源は平安時代に遡り、モチ米を蒸した強飯を卵形に握り固めて、柏の葉で包んだといわれる手軽な食べ物でした。

 

これを「屯食」と呼び、儀式に際して下働きの人々の食事として用意されました。

 

関東では「おにぎり」、関西では「おむすび」といい、関東は三角形、関西は俵形が標準で、「角形は普通の弁当、俵形はハレの席での弁当、球形は炊き出し用という習慣もみられます。

 

さて、おにぎりにはおもしろい逸話があります。

 

江戸中期の御用絵師・尾形光琳(1658〜1716)は、ある時、豪商たちと京都・嵐山へ花見に出かけました。

 

彼らは、銘々、ご馳走の入った贅を尽くした重箱を持参していたのですが、光琳は竹の皮に包んだおにぎりしか持って来ていないのです。

 

「光琳ともあろう者が……」という周囲の目を尻目に、食べ終わった後、竹の皮を悠々と嵐山を流れる大堰川に捨ててしまうのです。

 

ところが、その時、同行者がみたものは、川面にキラキラと光輝く笹舟のような竹の皮だったのです。

 

おにぎりを包んだ竹の皮の内側に、金銀を用いた蒔絵が施されていたのでした。

 

何と心憎い、粋な仕業ではありませんか。一同、感嘆したことはいうまでもありません。

平安貴族はお弁当を持ってお寺参り

 

お弁当を持ってお寺参り

 

お弁当の起源も平安時代に遡り、強飯を乾燥させた「餉」(かれいい)とワカメを餌袋に入れて携帯し、湯や水を注いで柔らかくして食べられていました。

 

お弁当箱も存在し、檜で作った高級なもので、「破龍」(わりご)と呼ばれていました。

 

形状は円形・三角形・四角形・扁形などさまざまで、中にはいくつもの仕切り、かぶせ蓋があり、現在と大差ないものでした。

 

お弁当の中身まではわかりませんが、かなりヘルシーなものであったことは想像に難くありません。、

 

それでは、このお弁当を持って平安貴族たちは、どこに出かけたのでしょうか。

 

彼らが平安京の外に出ることは極めて稀で「物詣」(ものもうで)と称する神社仏閣への参詣が主たるもので、観光目的のものではありませんでした。

 

そのころは観音信仰などが盛んで、清水寺をはじめ、長谷寺や石山寺へと足を運んだのです。

 

たとえば、『蜻蛉日記』には作者・藤原道綱の母が、石山寺に参籠した道のりが描かれています。

 

貴族の外出には通常、牛車を使用しますが、彼女は空に月がぼんやりと自く見える時刻、午前5時頃でしょうか、徒歩で出発しました。

 

鴨川を渡り、粟田山にさしかかると、さすがに疲れてへ卜へ卜になってしまいました。

 

しかし、先を急ぎ、逢坂の関の近くにある湧き水で有名な走井(はしらい)まで足を延ばし、そこで破龍をあけて食事を摂ったと記されています。

 

目的地の石山寺に到着したのは午後5時頃だったようで、12時間も要したのでした。

 

昔の人は足腰がしっかりしていたとはいえ、さぞかしお疲れだったのではないでしょうか。

お弁当に割り箸

 

割り箸の誕生

 

お弁当といえば割箸が添えられていますが、その誕生は江戸時代です。

 

『守貞漫稿』によりますと「引裂箸」(ひきさきばし)と称していたようで、「鰻飯」つまり「鰻丼」には必ず引裂箸が添えられていました。
さらに、

文政以後、京都・大阪・江戸で用いられ始め、杉の角箸の半ばが割ってあり、食べるときに裂分けて用いる。
それは再利用していないこと、清浄であることの証明になる。

と衛生的であることを強調し、「鰻飯」のように庶民が利用できる飲食店で用いられていたとも記されています。

 

割箸は江戸時代以降、建築材や酒樽用材の杉の廃材から作られていました。

 

杉は柾目が通った美しい木肌であることに加えて、さわやかな香りがあることから最適の素材でした。

 

その昔、千利休が茶事に際して一期一会の気持ちを込めて、吉野杉の赤身を用いて一本一本、削りだしたといわれる、「利休箸」があります。

 

長さは24〜26センチで、中火部分がやや太く、両端が細くなっているのが特徴で、すべて丁寧に面取りした「両口箸」です。

 

この箸は今日でも吉野杉で製したものが最高級品とされ、主に懐石料理などで使用されています。

 

このほか、頭部の一部を剖めに削いだ「天削箸」(てんそげばし)(18〜24センチ)、割れ目に中溝がある「元禄箸」(21センチ以下}、箸の角を丸くとった小判箸(21センチ以下)などがありますが、面取りを施さないなど最も加工度の少ない六寸(18センチ程度)の割り箸があります。

 

この箸の長さが「丁度六寸」ということから「丁六箸」と名付けられたそうで、もっとも安価で、利用度の高いものでした。

 


 

だから、歩くのがいい日本茶。かんたんガイド ビタミン・ミネラル便利事典あなたの知らない健康茶「むくみ」を知る