だし昆布は北の幸

だし昆布は北の幸

 

海外の海には、巨人な昆布か生息しています。

 

ジャイアント昆布、マクロシスチスーピリフェラはその一つで、長さが50メートルは普通です。

 

なかには100メートルを超える代物がカリフォルニアからアラスカにかけて、海中をうごめいています。ラッコの棲処(すみか)として有名ですが、食用には利用されていないらしいのです。

 

この巨大な昆布でだしを引こうとしても、私たちの知っている昆布だしのうま味は、得られません。

 

昆布は限られた場所で生息する特定の種しか、だしに使える強いうま味がないようなのです。

 

巨大昆布は煮物には使えるとしても、わざわざ海外から引きずっってくる価値はなかったのです。

 

 

日本のだしをとる昆布の95%は北海遺産です。

 

ちなみに残り5%は青森、岩手、宮城の以北3県。

 

黒潮が届く海域では水温が高く、たしを引ける昆布は北の海にしか生息していません。

 

北海道に限っても海域によって昆布の種類が異なり、加えて海流の温度や川からの栄養素流入の具合など、生育条件も異なります。

 

すべてがだしに向いているものとは限りません。

 

うま味が弱いものや、塩昆布などに加工して食べるのに向いている肉厚のものなど、味わいも用途も様々です。

 

北海道でははぽ全域で昆布漁が行われ、最北端の稚内では「利尻昆布」が生産されます。

 

「真昆布」は道南の白口浜、黒口浜、本場折などの浜から生産されます。

 

襟裳岬のほか、喰火湾から釧路にかけては「日高昆布」(三石昆布)、根室から釧路にかけて「長昆布」「厚場昆布」、知床半島には「羅臼昆布(鬼昆布)」などがあります。

 

それぞれに味の個性があります。

 

気難しい出汁(だし)昆布

 

昆布は浅い沿岸の海で、やや横になって生息してます。

 

波止場から覗くと手が届くところに、左右に揺れながら、集まって生えているのを礼文島の海岸などでみることが出来ます。

 

昆布は海藻ですから日光を受けて光合成します。

 

光を受ける面積を広くするため、陸上植物と同じように、葉が横に伸びるのです。

 

根は栄養素を吸収せず、ただ流れ留めとして、岩に張りつきます。

 

海中の昆布は、茶色の姿です。

 

だしに適した昆布の生育には、低い温度の海水が絶対に必要です。

 

日本でも三陸海岸あたりの海が南の限界で、それ以南は暖かい黒潮の影響があります。

 

さらに、豊かな栄養素、ミネラル、そして海の中にいるくせに日照も必要という「気難しい海藻」なのです。

 

低い海水温なのに豊かな栄養を含むという背反する条件の両立は困難です。

 

この条件をズバリ満たすのが、北海道から東北の寒流と暖流が交わる地域でした。

 

寒流の低温と暖流の豊かな栄養の両力が得られます。

 

うま味を蓄えた昆布に育つためには、背後に山があることも重要です。

 

海へ流れ込む川の水には森からの養分とミネラルが豊富に含まれているからです。

 

森の木の種類によって昆布の味に差異が出てくる、と専門業者は言います。

 

浜によって昆布の成分や味わいに違いがあります。

 

天然昆布の生えて1年目のものは、よいだしがとれないので採取されません。

 

2年目のものだけを夏に採取するのですが、1年目のものがそのまま成長して2年目に入るわけではありません。

 

1年目の葉は、冬にはいったん自然に枯れて流れてしまい、その枯れた後から再び新しく葉が生えてきます。

 

これが、ぐんと成長して2年目ものと呼ばれる立派な昆布になるのです。

 

昆布の収穫時期は7〜8月。収穫した昆布はすぐに干さなくてはなりません。

 

生乾きの洗濯物が臭くなるように、昆布も一気に乾かさないと余計な匂いが発生して価値が下がります。

 

このための、天日干しの干し場の確保には相当の面積が必要です。

 

干し場の表面には、地表の空気の流れをよくするために、砂利が敷き詰められています。

 

年に一時期の昆布干しのために広い土地を手入れしながら維持するのは、とても手間がかかり難しいことです。

 

伝統を守る意識が相当にないと続けられることではありません。

 

良い材料と加工するための場所、また生産を続ける作り手の意識と技術です。

 

これらの条件がそろってはじめてよい昆布が生産されるのです。

 

関連参照:
昆布出汁はなぜ美味しい
出汁(だし)の話


 

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