生理学的な」出汁の構造

出汁の構造

 

出汁(だし)の構造は超シンプル

 

料理の専門書には洋の東西を問わず様々なだしが紹介されています。

 

すべての原理を解説するとなると大部の事典になりそうですが、生理学的にみるとだしは実に単純な構造をしています。

 

それは、味覚成分、嗅覚成分、エネルギー成分

 

このたった3つなのです。

 

どんなだしも、この構造に収まります。

 

こういった単純化は料理人には不満でしょうが、理系学者の目標とするところで、複雑な世界をシンプルに整理できるほど嬉しくなるものなのです。

 

さて1番目の「味覚成分」は、うま味が看板役者です。

 

うま味とは、人間の舌を刺激する「甘」、「塩」、「酸」、「苦」の4種類の基本味に加え、最後に発見された味で、特に日本人はこれを旨いと感じてきました。

 

中国にも古くは「淡」という味覚があり、これはうま味のことであろうと考えられています。

 

うま味成分は例えば、昆布からはクルクミン酸とアスパラギン隈などのアミノ酸です。

 

鰹節や煮干し、魚介などからは、イノシン酸、グアニル酸といった核酸成分が出てきます。

 

逆に、これらのうま味成分がない液体は、一般には「だし」とは呼ばれません。

 

2つ目の「嗅覚成分」とは、匂い物質です。

 

だしの材料には数百種類を超える匂い成分があり、材料を煮込む過程で液体に抽出されていきます。

 

これらの匂い成分は、じつは光と影のある厄介なものなのです。

 

好ましい匂いも、嫌な匂いも、だしの中には溶け出てしまうからです。

 

しかし、だしに求められている優先順位は明快です。

 

うま味が最優先されて材料が選択されてきたのです。

 

匂いの良しあしは二の次です。

 

その結果、うま味は強いけれど、匂いが悪いというだしがいっぱいあります。

 

日本の昆布、鰹節、味噌なども、外国人からすれば悪臭と感じられることがあります。

 

各国の食文化はうま味を優先して匂いに慣れることで発展してきました。

 

だしの異臭に慣れることがその国の文化だとさえ私は感じています。

 

だしの構成成分の3つ目は「エネルギー」です。

 

カロリーといったほうがわかりやすいでしょう。

 

判科からだしに溶け出るカロリーはわずかしかなく、特に日本料理の透明なだしに、カロリーはほとんどありません。

 

京料理の有名料亭3軒のだしのカロリーを測ったところ、いずれも100ミリリットル中にわずか7キロカロリーほどでした。

 

たとえば、「清澄」という価値観を重視するだしは、カロリーには縁遠いのです。

 

もちろん具材をたっぷり入れたら糖質や油脂やタンパク質のカロリーか高くなり、ダイエット食品にはなりません。

 

このような3つの構成成分のなかで世界のだしの文化が存在しているわけです。


 

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