宇宙日本食認証基準

宇宙日本食認証基準

 

衛生基準

 

宇宙食にとって、最も重要な微生物の基準です。

 

NASAの衛生基準衛に準拠したが、日本独自の基準もあります。それは腸管出血性大腸菌の基準です。

 

日本では最近、O157の食中毒が頻発しているので、宇宙食を汚染してはならないということでとくに基準を設けました。

 

ここで目新しい用語として「原料食品」「最終食品」という用語があります。

 

原料食品というと、加工食品の原材料、たとえば,せんべいであれば米粉となりますが、ここでいう原材料はそうではありません。

 

実は、宇宙食は、広く市販されている一般食品を、宇宙食専用ののパッケージで包装して製造します。

 

この容器包装される直前のものを原料食品と称し容器包装されたものを最終食品食といいます。

 

NASAでは、原料食品をraw material、最終食品ををfinished products といいます。

 

「商業的無菌食品」というのは、日本の食品衛生法で、容器包装加圧加熱食を指し、缶詰とレトルト食品がこれにあたります。

 

商業的無菌食品には原料食品の微生物基準がありません。

 

一見奇妙に思えますが、そもそも宇宙食にはHACCPの仕組みを導入しているからです。

 

HACCPの手順で、加圧・加熱が十分に行われていれば、殺菌は十分にされていると見なされます。

 

非商業的無菌食品では、原料食品について、詳細な基準が設けられています。前述したO157は、日本独自の基準なのです。

 

最終食品の基準は、商業的無菌食品では、恒常検査と一般細菌検査のみです。

 

恒温検査とは,殺菌が完全であるかを検査するもので、製品をを35℃で14日間保持し、膨張または、漏れがないかどうかそ調べるものです。

 

非商業的無菌食品についても、最終食品では、一般細菌検査のみを行います。

 

認証に当たっては、応募があった場合、書面審査だけでなく、製造場所の衛生基準も実地検査で実施しています。

 

書面の記載の正確さを検証するだけでなく、実際の設備の実地調査は、専門委員会のメンバーメンバーとjAXAの職員とが、双方で指摘事項がある場合、後日に改善報告を受けることになっています。

品質基準

 

栄養性

 

宇宙日本食独自の栄養基準は、定めませんでした。ISS運用国際ワーキングワーキンググループが定めたISS FOOD PLANの365日以内の宇宙飛行の栄養要求を、日本人宇宙飛行士にも適用することとしたのです。

 

そして、宇宙日本食がこの栄養基準を満たすかは、認証申請食品に栄養成分分析値の提出を求めることとしたのです。

 

提出すべき栄養成分は、一般成分として水分、タンパク質、脂質灰分、炭水化物、エネルギーとし、ビタミンとして脂溶性のビタミンA(レチノール)α-およびβ-カロテン、ビタミンD、ビタミンE,ビタミンK、水溶性のビタミンB1、ビタミンCの7種としました。さらにミネラルとして、ナトリウム,リン、鉄、カルシウムの4種としました。

 

一般成分は,栄養性を判定するためのPFC比率を計算するために必須です。

 

ビタミンA、カロテン、ビタミンEは抗酸化ビタミンで、宇宙飛行士の放射線防御のためにミネラルのカルシウムは宇宙飛行士の骨量維持に重要です。

 

さらにナトリウムの過剰は、高血圧を誘引するのでその量はやはり重要です。

 

栄養成分の分析値を要求するのに伴い、栄養成分の測定法にも基準が設けられています。栄養成分は、測定法が異なれば得られる測定値に差があることか多いからです。

 

宇宙日本食の認証を求める食品企業は、この方法に従って栄養成分を測定し、その測定値を添付しなければなりません。

 

しかし、定められた方法は、実は食品企業にとって負担とならないようにしてあるのです。

 

というのは、ここで定められた方法は「加工食品の栄養成分表示」で定められている方法と同じだからです。

 

また、自社で測定する以外に、外部の検査機関に委託することも可能です。

 

ただし、むやみに委託gはできず、厚生労働省が検査機関として認証したところに限られます。

嗜好性、粘度など

 

嗜好性

 

宇宙食はおいしくなければなりません。おいしさは、官能検査によって確かめます。

 

12名以上の試験員が,実際に食べる状態で試食して評価を点数でつける。9点満点で6点以上が認証基準です.

 

手順にあるように、パネリスト(検査員)として12名以上、うち官能検査の訓練を受けた者3名以上を必要とする。

 

多くの食品製造企業では自社で養成しているが、条件を満たした者が得られない場合は、検査機関に外注することになります。

 

 

粘度

 

宇宙食は,直接ストローから飲む液体食品では、問題ありませんが、レトルト食品のように袋の封を切って、スプーンですくって食べる食品では、飛び散らないことが求められます。粘度が低いと飛び散る可能性があるのです。

 

そこで宇宙日本食では粘度の基準を設けることにしています。

 

B型回転粘度計という測定器を使って、測定値が6×10の3乗mPa・s以上であることが基準です。この値は、たとえていえば重湯程度です。

 

宇宙日本食にラーメンがありますが、実はとろみのついたあんかけ焼きそばなのです。

 

B型粘度計は、大手の食品メーカーでは常備されている検査機器です。

 

宇宙日本食では、この機器を用いて粘度を測定し、その数値をもって宇宙食に適合するかどうかを判断しています。

 

実は宇宙食の先進国アメリカのNASAにはない基準なのです。

 

NASAではヒューストンのNASA宇宙食研究所(フードラボ)の担当者が、スプーンですくって目視で判定しています。

水分活性

 

水分活性を宇宙日本食候補品は、測定しなければなりません。

 

いくつなら合格という数値ではなく、宇宙食の衛生性と保存性を判断する基準とします。

 

水分活性が低い乾燥食品であれば、衛生性と保存性を確保するのは容易なのです。

 

水分活性の洲定法には各種あるが、宇宙日本食認証基準では電気抵抗式水分活性測定装置を用いることと決めています。

 

本機を設備としてもっていない製造企業では、外部の検査機関に測定を依頼することになる。

 

水分活性は完全な乾燥食品ではゼロに近く、生鮮の野菜や魚などでは、1に近い値をとります。

 

一般に細菌は、水分汗性0.91以下、酵母は0 .88以下、かびは0.80以下では繁殖できません。

 

水分活性が0.65〜0.85のものを中間水分食品といい、きわめて保存性に優れています。

 

糖や塩分は水分活性を低下する作用があり、中間水分食品の製造に用いられる大福や羊羹がその典型です。

 

宇宙日本食にも羊羹があります。

 

糖は甘味が強いので、甘みの少ない材料を使って水分活性を下げることができます。

 

よく利用だれるのが、糖アルコール(ソルビット、ラクチトールなど)です。

 

宇宙食でもこの技術が応用されています。NASAの宇宙食、ロシアの宇宙食で、IMと表記されているのが中間水分食品です。

 

乾燥果実などデザートに豊富である、中間水分食品は、レトルト殺菌も冷凍乾燥もされていないので、そのままの食感を楽しめます。

 

その後に、一般に市販される中間水分食品の開発を進めることになったのも、宇宙食技術の成果のひとつなのです。

他の検査いろいろ

 

この他にも「保存基準」や「減圧検査」、「調理適合性検査」などがあります。

 


 

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