宇宙日本食

日本の宇宙食(宇宙日本食) 

宇宙日本食

 

「宇宙日本食」誕生まで

 

日本の宇宙食の開発は2003年から始まりました。

 

当時は、JAXAの前身のNASDAの時代でした。

 

毛利衛飛行士がスペースシャトルに搭乗しいよいよISSの組み立ても本格化してきた時期です。

 

日本人宇宙飛行士もその数が増え、次々と宇宙に行くことになりました。

 

しかも飛行時間も長期化してきます。そこで日本人宇宙飛行士のために日本食を食事として提供しようという機運がNASDAの中にでてきました。

 

はじめの話は、日本人宇宙飛行士の健康管理を行っている医師からもたらされました。

 

当時、NASDA有人宇宙飛行部の医長である松本暁子博士がその中心であったようです。

 

松本博士は精神科医で、とくに宇宙飛行士のフライト中のストレス解消に関心があり、そのストレスを日本の食事で解消しようと提案しました。

 

松本博士は、ISSの国際運用委員会の宇宙飛行士の健康管理にかかわるワーキンググループの委員でもあり、国際間調整に一役買える立場にもあったのです。

 

ところが、NASDAには宇宙食の専門家はいない。そこで社団法人日本食品科学工業会に相談した。

 

日本食品科学工業会は、日本の食品企業と食品研究者・技術者の連携を図るために設立された団体です。

 

食品科学工学会では、宇宙食専門家委員会を組織しました。これが宇宙食開発のスタートとなりました。

 

専門家委員会では、開発する日本の宇宙食を『宇宙日本食』と名づけました。

 

専門家委貝会は、NASA、ロシア宇宙局の視察を行った後、日本食品科学工学会傘下の企業に実際の宇宙食の開発とエントリーを依頼しました。

 

並行して、NASDAでは専門家委貝会の協力の下に、『宇宙日本食認証基準』の作成が行われました。


宇宙日本食のコンセプト

 

宇宙日本を開発するにあたって、次のコンセプトを掲げた。

 

「宇宙日本食は、日本人宇宙飛行士の心と身体の健康をサポートする」

 

1>宇宙環境下での、筋肉と骨の退化の進行を遅らせる。
2>宇宙環境下での放射線被曝による影響を軽減する。
3>長期間の閉鎖空間環境下での,精神的ストレスを緩和する。

 

1>のためには、アミノ酸、とくに分岐鎖アミノ酸の強化,カルシウム、ビタミンDの強化を図る。
2>のためには、抗酸化物質、たとえばカロテノイドの強化を図る。
3>のためには、日本人に馴染みのある和菓子をメニューに加える。

 

これらのコンセプトに従って,企業では、宇宙日本食として採用を希望するものを、エントリーすることとなった。

 

日本食というと、寿司とか天ぷらをイメージするかもしれない。

 

しかし、宇宙日本食では、今のところ採用していない。

 

その理由は、宇宙日本食は、日本の家庭の日常の味を目指したからです。

 

日常、家庭で毎日、寿司や天ぷらを食していない。日本人がが最も好む家庭の食事はカレーにラーメンではないか、であるならばこれらを宇宙食とすることをめざしたというのです。

農林水産省のホームページから

 

農林水産省のホームページに「最新の食品加工技術を結集した」として以下のページ開発担当者の声が出ていました。
参考になるし、まとまっているので紹介します。

 

宇宙食ってどんな食事?
http://www.maff.go.jp/j/pr/aff/1008/spe2_03.html

 

宇宙食とは、宇宙飛行士がISS(国際宇宙ステーション)やスペースシャトルなどの宇宙船内で食べるために開発された食品のこと。

 

宇宙開発が始まって以来、宇宙食といえば米国とロシアの食品がほとんどでしたが、この数年の間に、日本食も数多く利用されるようになりました。

 

なぜ日本食なのか、どんな工夫があるのか、開発に携わった宇宙航空研究開発機構(JAXA)、主任開発員の中沢孝さんにお話を伺いました。

 

宇宙食開発は機能性からおいしさへ
「世界の宇宙食の開発は機能性の追求から始まりました。宇宙飛行士が十分な栄養が摂れること、常温で長期保存できること、安全であること、微小重力状態の中で飛行士が上手に食べられること、などの条件が求められたんです」

 

たしかに、食品容器から有毒ガスが発生したり、万一火事のとき火災を広げるような材料は使えません。また食品自体が容器から飛散して狭い船内を漂ったら…飛行士たちは食事のたびにどれほどひどいストレスにおそわれることでしょう。

 

「そこで、宇宙食は食品自体の加工技術と、容器の開発の2つの側面から研究されてきました。

 

例えば米国ではフリーズドライ食品やレトルトパウチ食品が、ロシアでは缶詰やチューブ食品が多いようですね。

 

また容器が食事中に浮遊しないようにベルクロテープでテーブルに固定したり、ゴムにはさんだり、いろいろな工夫があります。

 

しかしこういった食品のハード面の開発だけでは宇宙飛行士の精神的なストレスは解消できません。

 

もっとおいしいモノが食べたい、好物が懐かしいと思うのは人間として当然ですから」

 

宇宙飛行士の好みで選べる食事に

 

現在、ISSでは宇宙食を以下の3種類に分類しています。

 

(1)標準食(米ロの認証済み宇宙食。米ロ2国が半分ずつ用意し、原則16日1セットで全宇宙飛行士が好きなものを食べる)

 

(2)嗜好食(各宇宙飛行士の希望により、滞在1カ月につき60パック程度選択できる)

 

(3)ボーナス食(宇宙飛行士の希望に基づき、NASAの検査に合格した市販の食品を 宇宙食用のパッケージに入れて搭載できる)

 

現在JAXAが認証している「宇宙日本食」とは基本的には(2)の嗜好食にあたるものです。

 

2001年から調査検討を開始し2006年11月に「宇宙日本食認証基準」を制定されました。

 

それに基づいて各食品メーカーが独自に開発した品目を申請、認証された食品が、現在11社28品目あります。

 

「宇宙日本食はパッケージの性能、安全性や衛生管理の水準が非常に高く、味の点でも各国の飛行士に好評です。

 

最近、NASAの宇宙食の一部を置き換える形ではありますが、標準食として打ち上げられるようになりました」

 

今後は、宇宙での長期滞在でも飽きがこないバラエティ豊かな品揃え、より簡便に扱える容器の開発などが課題。さらに有人火星探査計画に向けて非常に長い賞味期間を持つ食品の開発など……宇宙食の将来は無限大に広がります。


 

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