湯葉、おから

豆腐の製造過程で生まれた湯葉、おから

 

豆腐となる前段階で生まれたものに、湯葉があります。

 

湯葉は豆乳を加熱した時に起こるラムスデン現象によって、液面に形成される膜を竹串などを使って引き上げたものです。

 

湯葉のふるさとは豆腐同様、中国で、板状に乾燥させたものを「腐皮」、棒状に縛って乾燥したものを「腐竹」といい、台湾では「豆皮」と称されています。

 

日本へは入唐求法から帰朝した最澄(767〜822年)が、茶とともに伝えたといわれています。
比叡山麓の大津市坂本の童歌に、

 山の坊さん何食うて暮らす、ゆばの付け焼き、定心坊

と、比叡山の僧侶は、蒲焼きのようにタレをつけた湯葉の付け焼きと、定心坊と呼ばれる漬物の質素な食事であったと唱われています。

 

湯葉は比叡山麓のほか、寺院の多い京都や日光輪王寺、身延山などの門前町で作られ、京都と身延山では「湯葉」、日光では「湯波」と表記されます。

 

「日光湯波」は生湯葉(または引き上げ湯葉、汲み上げ湯葉ともいいます)を重ねて棒状に巻き、油で揚げているのか特徴です。

 

なお、生湯葉は精進料理において、生のままで刺身として供されます。

 

生湯葉を自然乾燥させたものを「干し湯葉」といい、半乾燥の状態のうちに巻いたり、結び目を作ったものを「結び湯葉」と呼び、吸い物などの具材として、広く活用されています。

 

一方、豆腐の製造過程でできる豆乳の絞りかすを「おから」といいますが、「から」に通じるとして忌避され、関東では「卯の花」、関西では「雪花菜(きらず)」と言い換えられています。

 

豆腐同様、江戸時代の庶民には身近な食品であった「おから」は、古典落語「千早振る」のなかにも登場します。

 

在原業平が詠んだ「千早振る神代もきかず竜田川 からくれなゐに水くくるとは」の意味を聞きに来た八五郎に、物知り顔で通した隠居が業平の和歌の意味を知らぬとはいえず、「からくれなゐに」を「おからをくれない」と勝手な解釈を披瀝するのです。

 

おからは、安価で、庶民的な食品ですが、保存期間が短く、劣化しやすい難点があります。

 

江戸中期の儒学者・荻生徂徠(1666〜1728年)も貧困に喘いでいた時、おからで飢えをしのいだといわれています。

 

最近では食物繊維が豊富な食材として、ケーキやクッキーなどのダイエット食品にも利用されているほか、おからハンバーグなど新たな利用法も考え出されています。


 

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