「黒い紙」を食べる

「黒い紙」を食べる日本人。海苔

 

日本に来る外国人が、不思議がる食材のひとつに『海苔』があります。

 

黒い紙に見えるといいます。日本人は紙を食うのかと目を丸くする外国人もいます。

 

紙に見えたとしても不思議はありません。

 

四角い海苔を創作したのは日本人であり、江戸時代に浅草で、紙すき用の木枠を応用して作られるようになったのです。

 

今でも『浅草海苔』という呼び名に地名が残されています。

 

ちなみに、江戸時代の東京湾は日本有数の海苔の産地でもありました。

 

浅草海苔はウシケノリ科に属する海苔で、元々は天日干しにしただけで、火にあぶり、ご飯や酒の肴にしていたものを四角に食べやすくし、保存性と流通性を高めました。

 

海苔ほど機能性の優れた食材も少ないでしょう。
広げてご飯をのせ、芯にかんぴょうや卵焼きなどのおかずを置いてクルクルと巻くと、鮨でおなじみの海苔巻きです。

 

ご飯を包んで丸めると定番おにぎりだし、お茶潰けの場合はご飯の上に散らし、蕎麦の上にもうどんの上にも散らす。
パリッと焼いた海苔を酒の肴にして、目を細めている愛好家も少なくない。

 

「色は黒うても、浅草海苔は白いおままの肌包む」

 

という俗謡もあります。

 

昭和の時代には「のり弁」という庶民の介当もあって人気でした。

 

弁当箱にご飯を半分ほど詰め、カツオ節をふりかけ、醤油で軽く味を付けて海苔をのせ、その上にまたご飯を詰めて味を付け、海苔をかぶせれば、出来上がりなのです。

 

おかずは一枚の海苔とカツオ節だけなのですが、人気がありました。

 

昼食までの間に、海苔とカツオ節に含まれているアミノ酸のうま昧が、ご飯のほのかな甘さの中に広がり絶妙の味となるのです。
最近、町の弁当屋さんで、この「のり弁」人気が復活しているそうだか、素朴なうまさが魅力なのだろう。

 

ホテルの朝の和食膳には必ず海苔がのっているし、バイキング方式でもご飯のそばにたいてい海苔が置いてあります。日本人の朝食の定番なのです。

 

海苔がご飯のうまさを引き立てるだけではない。
海苔には、ご飯の主成分である糖質(炭水化物)をエネルギー源にするのに欠かせないビタミンB1が、黒ゴマや大豆よりも多く含まれています。

 

江戸っ子も朝食に海苔を食べていました。
江戸の町は超過密社会であり、人間力を丸くしてお互いさまで楽しくつきあうためには、海苔のような海藻が必要だったのかもしれません。

 

イライラやストレス解消に役立つカルシウムが、たっぷり含まれているのだから。
海苔の40%前後はたんぱく質で、この数値はマグロよりも、牛、豚の肉よりも多いといいます。

 

海苔おにぎりは、実は栄養的にも大変バランスがとれているのです。
ついでながら、ビタミンCも、100グラム中に200ミリグラム前後含まれているのです。


 

だから、歩くのがいい日本茶。かんたんガイド ビタミン・ミネラル活用事典あなたの知らない健康茶「むくみ」を知る