味噌のこと

味噌の始めは嘗め味噌

 

醤油と同じ大豆発酵調味料に味噌がありますが、ともにルーツは中国にあります。

 

味噌汁を筆頭に径山寺(金山寺)味噌、田楽味噌、味噌漬けなど、和食とは切っても切れない存在となっています。

 

味噌の伝来は8世紀半ばに唐より来朝した鑑真和上(688〜763年)によるともいわれ、味噌の文字は10世紀のはじめ頃につくられた和製漢字で、それまでは「未醤」という字が当てられていました。

 

日本伝来当初から、未醤の形状は今日とほぼ同様であったようですが、径山寺味噌のように、つけて食べる嘗め味噌で、調味料ではありませんでした。

 

さて、室町時代に入ると全国各地で特色ある味噌が発達し、大豆を塩漬けした保存食であったことから戦国時代には兵糧として重宝され、玉味噌(味噌を団子状に丸めて、藁苞(わらずと)に包んで煙の通る竃のそばに置いて熟成させたもの)と称する副食品となりました。

 

低タンパク質の食生活において食生活において、味噌に含まれる大豆タンパク質の摂取は重要で、石田三成は「熱湯に焼き味噌をかき立てて飲めば、終日米がなくとも飢えたることなし」と語ったといいます。

 

このような経緯から戦国武将は味噌造りに熱心で、仙台藩初代藩主・伊達政宗(1567〜1636年)は城下に御塩噌蔵を設置して、米麹と大豆で辛口の赤味噌を造らせました。

 

のちに、「仙台味噌」と呼ばれ、豊臣秀吉の朝鮮出兵に際しても携帯されましたが、腐ることがなかったと伝えられています。

 

また、前田利家も「治にいても乱を忘れず、準備おさおさ怠りなく」と、戦に備えて味噌造りを推奨しました。

 

これが「加賀味噌」の起源となり、長期熟成の米麹を多く用いた塩分の高い、まさに、兵糧としては最適のものでした。

 

さらに、武田信玄が開発した「陣立味噌」は、干し菜や干大根を味噌で煮つめて干し固めたもので、陣中においては湯で溶かすだけで簡単に食べられる、現在のインスタント味噌汁に相当する携帯食でした。

 

さて、味噌は原材科によって、米味噌・麦味噌・豆味噌・調合味噌に分類されます。、

 

米味噌は大豆と米を発酵・熟成させたもので、日本全国の広い地域で作られています。

 

有名なところでは、長野県産の「信州味噌」や京都産の「西京味噌」があり、前者は戦国叶代に信濃国安養寺(長野県佐久市にある心地覚心創建の禅寺)を発祥の地とするもので、淡色・辛口を特徴とし、現在、味噌生産・消費量の4割を占めています。

 

西京味噌は米麹を多く配合した白黄色の甘口味噌の通称で、「白味噌」とも称されます。

 

この味噌を味淋でのばして、鰆など季節魚や肉を漬け込む「西京漬け」は鮮魚の保存法として活用されています。

 

麦味噌は大豆と大麦、または、はだか麦を発酵・熟成させたもので、長崎県の島原味噌や鹿児島県の薩摩味噌など、主に九州地方で生産されています。

 

大豆のみを発酵・熟成させた.豆味噌は、赤褐色の辛口味噌です。

 

主に東海地方で作られ、愛知県の八丁味噌赤味噌が有名です。

 

八丁味噌の命名は、岡崎城から西へ八丁(870メートル)の距離にある八丁村{現・岡崎巾八帖町}の二軒の味噌蔵で醸造が始められたことによります。

 

八丁味噌は醸造期間が長く、二夏二冬(現在は、速成醸造が行われ、数週間から6ヶ月)を超えて完成します。

味噌の「十徳」

 

古くから、「味噌の八徳」とか「十徳」とよく言われてきました。

 

味噌には八つの徳があるとか、十の徳だといった意味なのですが、日本人にとって、味噌は調味料の枠を超越した存在だったのです。

 

まっ白い米の飯と並び、一家の幸せを支える大黒柱が「味噌汁」だったのです。

 

この組み合わせは健康効果か極めて高いのです。

 

日本人の平均寿命はのび続け、やがて平均寿命が90歳となるのも夢ではないのですが、味噌は私たちが知らないうちに、日本人の健康を支えてきたのです。

 

なにしろ、味噌は大豆に含まれている35%のたんぱく質が、麹菌のプロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)で分解されて、長寿成分のアミノ酸になっているのです。
つまり、味噌汁は豆腐や野菜などの入ったアミノ酸スープなのです。

 

とくに元気アミノ酸と言われるアルギニンの多い点か注目されます。

 

ご飯に添えて、味噌汁を食べれば栄養ののバランスもとれ、元気が出るです。

 

では、昔から伝えられてきた「味噌の十徳」とはどんなことをいうのか以下見てみます。

 

 

第1の徳:『骨を丈夫にする』

 

味噌汁に煮干しなどのダシやワカメ、豆腐、キノコ類を使えば、骨の原料となるカルシウムを摂取することかできます。

 

味噌には女性ホルモンに似た働きをするイソフラボンが多く、カルシウムの吸収を助け、老化により骨がもろくなるのを防ぐ作用もあると言われています。

 

豆腐入りのワカメ汁などは、骨粗毬症を予防する理想食なのです。

 

 

第2の徳:『物忘れを防ぐ』

 

味噌の原料となる大豆に含まれているレシチンは、記憶力と関係か深い脳内物質のアセチルコリンの原料です。

 

中高年になって起こる物忘れは、アセチルコリンの量が減少することによって発生しやすい、神経回略の機能低下と見られています。「物忘れを防ぐ」と言われてきたのも、成分的にはレシチンやアミノ酸のことなのではないだろうか。

 

 

第3の徳:『イライラを防ぐ』

 

精神安定効果の高いカルシウムやビタミンB類、グルタミン酸などのアミノ酸が含まれていて、味噌汁にはイライラやストレスを防ぐ効果が期待できます。

 

 

第4の徳:『病気を防ぐ力が強くなる』

 

味噌汁は褐色をしています。

 

この褐色こそメラノイジンで、発酵によって生じた成分であり、ガンや動脈硬化など、万病のもとと言われる活性酸素を抑える抗酸化作用で注目されているのです。

 

あらゆる生活習慣病の予防効果が高いのです。

 

野菜などの具を増やすことによって、メラノイジンの効果はさらに高くなります。

 

 

第5の徳:『胃の調子をととのえる』

 

味噌には麹菌や乳酸菌、酵母などをはじめ、多種類の酵素が生きた状態で含まれているため、食べ物の消化をスムーズにして、胃の調子をよくする上で役に立つのです。

 

 

第6の徳:『血液のめぐりをよくする』
「石鹸」とか「泡立つ」を意味する『サポ』に由来するサポニンは味噌にも含まれており、同じくレシチン、ビタミンEなどとともに、血管のクリーニング作用をしています。
したがって、血液をよくする上で役に立つのです。

 

 

第7の徳:『整腸効果を高めてくれる』

 

便通の停滞は、体全体の老化を早める大きな原因です。みそ汁が含む生きた微生物や酵素群あるいは具に用いられる海藻や野菜群、キノコなどの食物繊維は便通をスムーズにし、整腸効果を高めてくれます。
一杯の味噌汁が人生を変えるほどの力を持っているのです。

 

 

第8の徳:『実の三種は身の薬』

 

味噌汁作りのコツの一つである、三種類以上の実(具)の入った「実だくさんの味噌汁」は身の薬になるという意味です。

 

極端に言うと、箸の立つほどの実だくさんがよいとされています。

 

ビタミンやミネラル、そしてサポニンやレシチン、食物繊維もたっぷりとれるから、まさに「身の薬」なのです。

 

 

第9の徳:『「長寿汁」である』

 

さまざまな老化現象に「待った」をかけるのが味噌汁。

 

それを昔の人はよく知っていました。江戸時代の『本朝食鑑』にも、「みそは一日もなくてはならぬもの」とあります。

 

味噌は多くの効能を持っていると記され、味噌に含まれている麹の甘み成分は消化不艮を解消し、血の巡りもよくするとも言っている。

 

 

第10の徳:『味噌汁は笑顔を作る』

 

心からうまいと感心するような味噌汁をひと口すすると、自然に顔がほころんでしまうのです。

 

鰹節の出汁が良くきいていて、味噌のうま味アミノ酸と一体になって呼応した時、笑顔を誘う味わいとなるのです。

 

鰹節と9味噌に多いトリプトファンという必須アミノ酸が幸せホルモンのセロトニンを増やすからです。

 


 

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