スーパー和食の特徴

昭和35年(1960年)の食事

 

昭和35年(1960年)の食事

 

まずは、昭和35年の食事は

 

@品数が少ないことと
A塩分が多いこと

 

が弱点たった。

 

それをうまく補強したのが昭和50年(1975年)のスーパー和食なのです。

昭和50年(1975年)の食事

 

昭和50年(1975年)の食卓では、豊富な食材をシンブルに調理して食べています。

 

品目も日本人にとって、懐かしい、なじみのあるものばかりなのです。

 

当時の週間の献立を再現したので、これを参考にして、ぜひスーパー和食を毎日の食卓に取り入れていただきたい。

 

 

その際のポイントを挙げておこう。

 

・少しずつ、いろんなものを食べる。
これが基本方針です。現代の食事は、肉と油が多すぎます。

 

ここで誤解してほしくないのは、肉と油がいけないと言っているのではないことです。

 

何でも摂りすぎが、一番よくないのです。

 

 

・和食一辺倒ではない。
(クリームシチュー、ソーセージとキャベツのソテー、ブロッコリーとツナのサラダ、サンドイッチなど)

 

スーパー和食は、決して一汁一菜の純日本風粗食ではありません。
1975年は、今ほどではないが、欧米食も取り入れていたのです。和食ばかりだと、どうしても品数が乏しくなってしまうのです。

 

 

・豆類を多く摂っている。
(納豆、五目豆、豆腐と油揚げの味噌汁、冷や奴、高野豆腐の含め煮、おからの炒り煮など)

 

昭和50年は、豆腐や油揚げ、おから、納豆などをよく食べていました。これらはすべて大豆の加工品です。

 

タンパク質には、動物性と植物性があります。
肉類には脂肪が多く含まれている。
1955年、肉から1日に摂る脂肪はIグラムに満たなかったのが、91年には12.2グラムと、約12倍に増加している。

 

脂肪の摂りすぎが肥満につながり、生活習慣病の原因になっているのは、いうまでもありません。
今は肉を食べすぎているのです。タンパク源は、もっと豆類を摂るべきなのです。

 

 

・1日I〜2個、卵を食べる。
(卵焼き、ベーコンエッグ、オムレツ、ゆで卵、親子丼、キャベツと卵のすまし汁など)

 

以前は、卵をよく食べていました。
コレステロール値を上げるからと、今は敬遠されがちだが、実は脂質類、タンパク質などがバランスよく含まれた「完全栄養食品」なのです。
カルシウムも豊富に含まれているのです。

 

また、1960年以前の食事でも卵は少ないのです。

 

卵が「完全栄養食品」であることの理由は簡単です。

 

卵はヒナの原形であり、命そのものなのです。
生命活動に必要なものは、そこにすべてバランスよく含まれています。
安価な上に、ゆで卵や目玉焼きなど、調理が簡単で手軽に食べることができるのも卵の魅力です。

 

 

・ごはんの量を減らす必要はない。
75年、1人あたりの米の消費量は、05年の約1.5倍でした。ですから、特にご飯の量を減らさなくてよいのです。
ごはんはパンに比べて腹持ちがよく、緩やかに吸収されるため、太りにくい体質を作ります。

 

現代では、主食=ごはんは、1週間21食中12食。75年は、15食。
主食はパンや麺類ではなくごはんが中心の食生活にシフトするべきなのです。

 

 

・1日2杯、味噌汁を飲む。
(大根と油揚げの味噌汁のほか、味噌を使った料理として、味噌煮込みうどん、サバの味噌煮、ふきのとう味噌、味噌田楽、野菜の味噌漬けなど)

 

75年、味噌の摂取量は現代に比べてずっと多かった。

 

今では塩分の摂りすぎは高血圧の原因になると言われ、味噌汁を控えている人も多いのではないだろうか?

 

ところが、さまざまな研究によって、味噌汁は1日3杯程度であれば、血圧は上がらないことがわかった。
発酵食品である味噌は、非常に成分が複雑で、数千もの物質を含み、栄養価も高いのです。
がんや脳卒中のリスクを下げ、美肌効果もあります。

 

大豆から作られる味噌は、日本古来のすばらしい食品なのです。
塩分が高いからといって、味噌汁を敬遠するのは、非常にもったいない話です。

 

みそ汁は、毎日2杯飲むことをお勧めしたいのです。

 

 

・魚は毎日、肉は1日おきで。
(魚料理はサケの塩焼き、アジの南蛮漬け、はっけの干物、ちりめんじゃこの佃煮など)

 

75年は魚介類を肉より多く摂り、肉は05年の半分ほどしか食べていなかった。
魚に含まれる栄養素は、人間の健康にとって欠かすことのできないものなのです。

 

魚の脂分に含まれるEPA・DHAなどのオメガ3系脂肪酸には、数々の健康効果かあり、魚を中心とした食生活を送る地中海沿岸の人々は、世界的にも長寿であることが知られています。

 

今の日本人は、肉を食べすぎ、これが生活習慣病など、健康に大きな悪影響を与えているのです。
魚は毎日食べ、肉は1日おき程度にするべきです。

 

 

・調理は「煮る」を最優先に。
(肉じゃが、アサリと小松菜の煮びたし、カレイの煮付け、筑前煮、ヒジキの煮物など)

 

75年の食事では、野菜でも魚でも、「煮る」が圧倒的に多いのです。

 

水や出汁で食材を煮込んでゆく煮物は、油を使用しないヘルシーな調理法であるのです。
「炒める」「揚げる」など、油を使った調理法が増加しだのは、1980年代以降のことです。

 

和食は世界的に見ても、素材を大切にする料理なのです。
外国と比較して、それが最も顕著に表れているのが、「水」です。
日本人は、調理において、水を大切にする食文化を持っています。

 

出汁、鍋物、煮物など、和食には水が欠かせないものです。
油の使用料を減らすことが出来るため、日本古来の調理法「煮る」は、ダイエットにも最適なのです。

 

 

・食後には果物を。
(バナナ、ミカン、リンゴ、スイカ、ブドウ、ナシ、イチジク、柿など)

 

75年は食後のデザートや、おやつとして果物がよく食べられていました。
現代では、ケーキなどのお菓了類に押され、果物の摂取量は少なくなっています。

 

しかし、健康やダイエットを考えるとき、精製された白砂糖がたっぷり使われたお菓子より、ビタミンや食物繊維が豊富な果物のほうがいいのは言うまでもありmせん。

 

食後に、そして甘いが食べたくなったときに、ケーキやクッキー、チョコレートではなく、果物を食べるべきです。

 

 

・海藻類を多く摂る。
(キュウリとワカメの和え物、モスク酢、ヒジキの煮物、刻みゴングの炒め煮、ところてんなど)

 

周囲を海で囲まれた日本では、古くから海藻を日常的に食べる習慣がありました。
海苔や寒天をけじめ、塩に漬けて保存性を高めた塩蔵ワカメ、天日にさらした乾燥ヒジキなどは、保存の利く便利な食品なのです。

 

海藻は低カロリーでありながら、カルシウムやリン、亜鉛、ヨードなどのミネラルがたっぷりと含まれています。
特に、海藻に多い水溶性食物繊維は、小腸での栄養素の消化吸収を抑えたり、遅らせたりする働きがあるため、ダイエット効果も期待できます。

 

ここに挙げたポイントを取り入れながら、ぜひスーパー和食を実践していただきたいと、都築 毅准教授はいうのです。

スーパー和食の特徴

さて、同チームは、まず、国民栄養調査や料理書などをもとに、さまざまな年代の食事を再現し、マウスに与えました。

 

その結果、75年頃の食事が、

 

糖尿病、脂肪肝の予防や、
寿命を延ばすことに有益である

 

ことが示されました。

 

 

さらに、75年型の食事と現代の食事を軽度肥満度者30人ずつに一日3食28日間食べてもらう試験を行った。

 

 

75年型は、

 

体重や悪玉コレステロールの減少
糖尿病の指標の低下、
善玉コレステロールの増加

 

などを示しました。

 

健常者が食べる試験では、ストレスの軽減運動能力向上などが示されたのです。

 

 

その75年型食事の特徴として、

 

@様々な食材を少しずつ食べる
A煮る、蒸す、生を優先し、揚げる、いためるは控えめ
B大豆製品、魚、野菜を積極的に、卵、乳製品、肉を適度に
Cだしやしょうゆ、みそ、酢を活用
D一汁三菜を基本とする

 

の5点です。

 

かっての日本人は、エネルギーの大半を米などの穀類から取っていました。

 

60年は穀類が約7割、動物性食品1割だったが、肉料理が増えたことなどで、80年には穀類約5割、動物性食品2割に。80年頃の食事は、たんぱく質、脂肪、炭水化物のバランスがよいと評価されました。

 

80年、農政審議会が「日本型食生活」を推奨し、「和食と健康」が注目されるようになりました。

 

しかしその後、食生活はさらに変化し、脂質が増加していきます。

 

現在は世代や個人によって、肥満、低栄養、野菜不足など様々な課題が指摘されています。

 

昭和50年(1975年)の家庭食の献立表

 

昭和50年当時の一般的な1週間のメニュー例です。

 

1日目
朝食
ご飯、サケの塩焼き納豆、白菜ともやしの味噌煮

 

 

昼食
きつねうどん、果物

 

夕食
ご飯、肉じゃが、もずく酢、キャベツと卵のすまし汁

 

 

2日目
朝食
レーズンパン、オムレツソーセージとキャベツのソテー、果物、牛乳

 

昼食
チャーハン、ワカメスープ

 

夕食
ご飯、筑前煮、冷や奴、ほうれん草と油揚げの味噌煮

 

 

3日目
朝食
ご飯、アジの干物、アサリと小松菜の煮浸し、花豆の甘煮、茄子の味噌汁

 

昼食
焼きそば、フルーツみつ豆

 

夕食
ご飯、クリームシチュー、白菜と干しエビのおひたし、キュウリとひじきの和え物

 

 

4日目
朝食
トースト、ベーコンエッグ、フルーツヨーグルト

 

昼食
サツマイモご飯、豚汁、高野豆腐の含め煮

 

夕食
ご飯、アジの南蛮漬け、味噌田楽、カボチャと小松菜のすまし汁

 

 

5日目
朝食
ご飯、卵焼き、納豆、果物、キャベツと油揚げの味噌煮

 

昼食
親子丼、紅白なます、佃煮

 

夕食
ご飯、サバの南蛮漬け、おからの炒り煮、里芋と大根のみそ汁

 

 

6日目
朝食
トースト、ゆで卵、ブロッコリーとツナのサラダ、果物、牛乳

 

昼食
ご飯、茄子のそぼろ炒め、ひじきの煮物

 

夕食
ご飯、カレイの煮付け、おからの炒り煮、里芋と大根の味噌煮

 

 

7日目
朝食
ご飯、アサリとキャベツの酒蒸し、納豆、豆腐と油揚げの味噌煮

 

昼食
サンドイッチ、コンソメスープ、果物

 

夕食
ご飯、刺身、サツマ揚げと白菜の煮物、白和え

4つの年代の食事メニュー例

 

以下は4つの年代の代表的な食事メニュー例です。

 

1960年
●朝食:麦ご飯、アサリのみそ汁、冷や奴、漬け物、果物
●昼食:炒めうどん、果物
●夕食:ご飯、サバの塩焼き、ひじきの煮物、キャベツとモヤシのみそ汁

 

1975年
●朝食:レーズンパン、オムレツ、ソーセージとキャベツのソテー、果物、牛乳
●昼食:親子丼、紅白なます、佃煮
●夕食:ご飯、サバの味噌煮、五目豆、白菜とワカメのすまし汁

 

1990年
●朝食:ピザトースト、里芋のツナサラダ、果物、牛乳
●昼食:ラーメン
●夕食:ご飯、マーボ豆腐、海老のチリソース炒め、キューリの辛味漬け

 

2005年
●朝食:トースト、クラムチャウダー、果物
●昼食:ハンバーガー、サラダ、ジュース
●夕食:ご飯、豚のショウガ焼き、ポテトサラダ、たまねぎと豆のスープ

 

2005年の日本人ひとり当たりの米の消費量は、1960年と比べて半減しています。

 

一方、肉類の消費量は約6倍、油脂類は約3倍に増加するなど「食の欧米化」が大きく進んでいます。

 

そんな中、75年型の日本食は、
牛乳やパン、乳製品など欧米の食事に特徴的なものが登場し始めた頃です。

 

でも、主なタンパク源は、まだ魚介類や大豆製品などの植物性が中心で、ヒジキやワカメなどの海藻類が多く、バランスのとれたメニューと言えます。

 

スーパー和食の効果

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