注意!「足病」

「足病」が注目されています。

 

最近、話題になっている足の病気があります。

 

糖尿病や透析患者の重症化では、下肢の切断に至るケースがある「足病」です。

「足病」とは、くるぶし、かかと、足の甲や裏、指などの部分で発症する病気

 

「足病」とは、くるぶし、かかと、足の甲や裏、指などの部分で発症する病気です。

 

初めて耳にする人が多いと思います。

 

今年から国の支援を受けて医療体制がようやく整いつつある、あらたな領域として注目されています。

 

広義では水虫、たこ、うおのめ等も含めます。

 

 

重症化するのは●血流障害、●神経障害、●感染、●足の変形、●爪の疾患、●外傷などが原因で
感染したり悪化したりすると、ふくらはぎや太ももを含めた下肢切断に至る場合も少なくありません。

 

中でも、全国約32万人いる糖尿病などが原因の透析患者のうち、合併症で血流障害や神経障害を起こし、足病が重症化して下肢切断した人は1年間に1万人以上といわれ、さらに増加傾向にあります。

 

恐ろしいのは靴擦れと安易に思っていた潰瘍が、虚血が原因の場合、最初は小さくでも適切に治療をしないと、一ヶ月余りで足の半分程度が壊死してしまうケースがあることです。
こうなると、足を切断するしかありません。

 

足病の治療は一刻を争う場合があり、欧米では100年以上前から『足病医』が存在していたほどです。

 

日本には足病医はいませんが、その代わりとして透析医、糖尿病内科医と循環器内科、血管外科、形成外科の医師たちが連携する仕組みがようやく築かれはじめました。

踵を残すということ

 

下肢を切断する、いわゆる 「足切断」は、
足首より上で切る「大切断」と、
下で切る「小切断」があり、
小切断でかかとを残すことができれば、多くの場合、義足を付けずに歩行や起立が出来ます。

 

一方、大切断すると歩行や起立には義足が必要となります。

 

ところが高齢者は、手などの筋力も衰えているので、自分で義足を付けられないこともあります。

 

寝たきりや車斬夕生活となることで、生活の質(QOL)が著しく低下しがちです。

 

パラリンピックの選手を見ると、義足になっても何でもできそうですが、高齢者ではそうはいきません。

 

大切断の後に歩けている人は10%以下で、死亡率が高いのが現実です。

 

重症化の前に治療し、かかとを残すことが大事です。

 

大切断に至った患者の平均年齢は約70歳となっており、高齢で糖尿病の人に多いので注意が必要です。

神経と血流の障害

 

一般的には、糖尿病になると約半数の人に10年目くらいで神経障害、15年目くらいで血流障害が起きてきます。

 

神経障害のうち感覚神経が障害されるとビリビリするなどと感じる人、あまり感じない人がいますが、
問題はその感覚がなくなった時です。

 

痛みを感じなくなり、やけどや外傷を受けやすくなるのです。

 

靴擦れや深爪などから感染することもあるでしょう。

 

また、自律神経が障害さると発汗が減り、皮膚が乾燥します。

 

足の裏は角質が硬くなる「角化」という減少が起き、亀裂が生じやすくなって感染の原因になります。

 

さらに、血流障害が起きると、動脈硬化による血流不全で足が冷たくなるでしょう。

 

足の皮膚は紫色になり、テカテカして毛が抜けることもあります。

 

指が壊死したりするようになり、重症化したものを「重症下肢虚血」といいます。

 

この重症化の前に現れる症状に「間欠性跛行」というのがあります。

 

これは下肢の血流が悪いと痛くて歩けない状態になりますが、少し休むと血流が回復するので、再び歩ける、というものです。

 

しかし、これは重症化に近い症状なので、自覚したら、早めに形成外科や血管外科、循環器内科などの受診が必要です。

自分で出来る検査方法

 

なお、早期発見のためには患者自身で出来る検査もあります。

 

まずは、足を上げる検査

 

血流が悪いと健常な場合と同じ同じピンク色だった足が白くなるでしょう。

 

重力に対して血液を足に送れず、足を下ろすとピンク色に戻ります。

 

次に、足の甲などの皮膚を指で押して放す検査です。

 

健常者は押されて白くなった部分がすぐに元の色に戻りますが、血流の悪い人はなかなか戻りません。

 

病院で精密な検査を受けた方がいい状態です。

 

予防には、足病と重症化の二つの予防があります。

 

日常的には
@靴にインソール・中敷き)を入れ、骨の突出部をくりぬく
A足浴
B適切に爪を切る
などがありますが、いずれも専門的な知識か不可欠です。

 

最近は医師のほか、フットケアに詳しい看護師もいますので、年に1回は診てらうといいです。

 

早期発見・治療で足の切断を回避し、歩けることで高いにQOLを維持しましょう。

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