脚がだるい

脚がだるい。下肢静脈瘤

 

脚がだるい、重く感じられるというのは、日常生活の中で多くの人が経験することです。

 

単なる運動のしすぎや疲れでも脚はだるくなったり重くなったりしますが、こういっただるさや重さは一過性のもので休養をとれば回復します。

 

したがって心配のないのですが、それとは別に、病気の症状の一つとしてだるさや重さが感じられることがあります。

 

だるさ、重さがひどく、休んでも回復しなかったり、しつこく続いたりすることに加え、次に述べるような症状が同時にあるようなら、病気である可能性も考えられます。

 

脚がだるい、重い、夜中につる

 

でも、痛くはないというときは、ふくらはぎや太もものあたりを見てみましょう。

 

血管かボコボコ浮き出ているのが認められたら、下肢静脈瘤です。

 

心臓から送り出された血液は、動脈を通って体の中をひとめぐりし、静脈を通って再び心臓に戻りますが、下肢静脈瘤は、この血液の帰り道である静脈の逆流防止弁が壊れてしまったために起こる病気です。

 

下肢静脈瘤になっても痛みはなく、脂にかかわるようなこともありませんが、脚のだるさ、重さを我慢しながら毎日過ごすのはつらいものです。

 

また、スカートをはく女性にとっては、外見的にも気になるものです。

 

妊娠・出産を経験した女性に多く見られますが、理髪師や調理師など1日中立ちっぱなしの仕事をしている男性にも少なくない病気です。

深部静脈血栓症

 

脚が腫れて痛い、だるいというときは、脚に流れてきた血液の大部分を心臓へ送り返すルートである深部静脈が、血栓(血のかたまり)によって詰まってしまう深部静脈血栓症の疑いもあります。

 

病気で長く寝ている人、太っていて連動不足の人は、要チェックです。

リンパ浮腫

 

婦人科系の病気で下腹部の開腹手術をしたり、放射線治療を受けたあとに、脚のだるさ、重さを訴える人がいます。

 

だるい、重いに加えて、脚がむくんでくるようなら、手術や放射線治療の影響で骨盤内のリンパ液の流れが悪くなるリンパ浮腫の可能性もありますので、すぐに医師に告げるようにしてください。

 

気づかずに放っておくと脚が赤く腫れて熱をもち、痛むようになってしまいます。

坐骨神経痛・腰椎椎間板ヘルニア

 

ぎっくり腰を経験したあと、腰痛や肉のしびれとともに脚がだるくなったり、重くなったりする、あるいは、左右どちらか片方のお尻から太ももの後ろにかけてと、膝から足首にかけて痛みがあるような場合は、座骨神経痛の疑いがあります。

 

坐骨神経痛を起こす腰の病気としては、腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離・すべり症の三つがあります。

 

背骨の一部の中身が押されて飛び出し、神経を圧迫するため痛くなる病気で、20〜30代の男性に多く見られます。

 

20〜30代の男性の腰痛原因の多くを占める病気ですが、妊娠・出産などがきっかけとなって女性が椎間板ヘルニアになることも珍しくありません。

 

脚のだるさの原因が腰の故障というのはピンとこないかもしれません。

 

脚と腰は密接な関係にあり、腰椎椎間板ヘルニアになった人のほとんどに脚のだるさ、重さ、痛み、しびれなどが見られます。

坐骨神経痛、腰部脊柱管狭窄症

 

脚のだるさと重さに加え、痛みやしびれが症状として出てくる腰の病気に、同じく坐骨神経痛のうちの腰部脊柱管狭窄症があります。

 

間歌性跛行(かんけつせいはこう:歩くと痛みが強くなって歩けなくなり、少し体を前かがみにして休んでいると痛みがとれ、また歩けるようになる)が見られるなら、この病気を疑ってみましょう。

 

老化のために背骨が変形し、中の神経が押されるために、そのような症状が出るのですが、高齢者に多く見られます。

坐骨神経痛・腰椎分離・すべり症

 

慢性的な腰痛があって、しかも脚がだるいという場合は、腰椎分離・すべり症である可能性もあります。

 

これは脊椎の疲労骨折ともいえるもので、折れたりひびが入ったために脊稚の椎体部分か内臓のほうにすべってきて神経に障り、痛みやだるさ、しびれなどが起こる疾患です。

扁平足

 

膝から下が疲れやすく、ちょっと歩くとすぐ脚がだるくなるという人は、お風呂上がりなどに自分の足跡を見てみましょう。

 

ぺったりと足の裏全体の跡がついていたら、それはそれは扁平足(べた足)です。

 

靴の中敷きのような装具を使えば症状が改善されますが、いちど整形外科で相談してみることをおすすめします。

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